プラダー・ウィリー症候群(PWS)児・者 親の会

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獨協医科大学越谷病院小児科教授   永井 敏郎

竹の子の会ホームページ開設に寄せて


竹の子の会の成立は、1991年だったと思います。

この年、オランダで第1回プラダー・ウイリー症候群(PWS)の国際学会の開催された年でした。この頃、私自身、PWSに関する知識は、乏しく、学会で何を聞いても全くチンプンカンプンでした。

この徹底した無知が、「何とか解るようになってやる!!」というエネルギーになり、今年の第5回PWS国際学会までの連続国際学会出席、発表の支えとなってきたと思います。

1991年学会から帰国後、数ヶ月で親の会が立ち上がり、この時、長谷川知子先生、福嶋義光先生、と参画しました。約20名のご家族の出席で、患者の親御さんは、疾患に対する情報も少なく、おどおどして、涙する方が多かったのを良く覚えております。

その後、PWSへの世の中(とりわけ、医学界での)の関心が高くなり、厚労省がわれわれの意見に耳を傾ける機会も多くなり、小児慢性特定疾患の獲得、成長ホルモン適応認可、などを勝ち取ることができました。

とりわけ、成長ホルモン適応に関しては、学会と親の会からの要望書が厚労省から要求されましたが、この時の、竹の子の会の迅速な対応は大きな力でした。

これは、会長の田中信一様と奥様をはじめとするスタッフの方々の御尽力と感謝しております。

約20名から始まった、竹の子の会は、現在約450名の会員を有する巨大な会に成長しています。

この会の発展の大きな要因は、勿論、多くの方々の個人的努力にもよりますが、根本的には、患者さんの親御さんたちが、何とかして子供たちの生活の質を向上させたい、という熱い思いがあったためと思います。

PWSの患者さんとその御両親、ご家族、・・・には、生涯にわたる種々の悩みや苦労がついてきます。そのため、会は、種々の問題について対応可能な側面が必要です。

多くの側面を持つためには、組織が柔軟でなければなりません。レベルの高い社会的側面から、日常生活のささいな悩みまで、全てを飲み込む会として今後も会が発展して欲しく思います。

私は、国際学会などを通じて、竹の子の会のレベルの高さ、情報の正確さ、情報収集の迅速さ・・・が、世界でも超一流を維持していると確信しています。

日本の竹の子の会は、間違いなく、世界に向かって情報を発信しています。世界中が、竹の子の会の存在を驚異の目で見ています。

私は、過去10数年間で竹の子の会とともに多くのことをやってきました。ここらで、一発、祭りでもやってみたくなります。次の獲得目標、次の実践目標、・・・を、次々提示し意識的に実践していくことが、巨大化した会に求められていると思います。

その意味でも、今回のホームページ開設により、多くの方々への情報提供の機会が提供され、今後の会の発展に大いに貢献してくれると思います。

以上、私の竹の子の会に対する熱い思いを書かせていただきました。



2004.6.2

カテゴリー:[HP開設に寄せて] Date:07/02/10/Sat